ドメーヌ・レ・ロック・ド・カナ　赤　2015

カオールの葡萄畑は約2000年前、ガリア人のローマ侵略の後に植樹された最初の葡萄畑のうちの1つである。レ・ロック・ド・カナの畑は約15ヘクタール。ワインメーカーはエルヴェ・フロマン氏。現在はヴィノバリー社の傘下にあるが、先祖代々の畑を守り、昔と変わらぬスタイルでワインを造り続けている。畑は葡萄栽培の守護聖人に因んで名づけられたサン・ヴァンサン・リヴ・ドルト村の石灰石高原に位置する。土壌は鉄分を含む白亜粘土質土壌。キリスト教に由来するこの地域。カナの婚礼すなわち水をワインに変えたキリストの初めての奇跡にワイナリーの希望を重ね合わせ象徴としている。栽培においては、肥料と化学薬品の使用をコントロールするリュット・レゾネで行っていたが、2015年よりビオロジックに転換。レ・ロック・ド・カナのテロワールは白亜粘土質土壌から構成されており、上層部は赤粘土、黄色粘土の混成。この土壌のおかげで葡萄の側根は多様なミネラルを吸収し個性豊かな新鮮さをワインにもたらしている。土壌には鉄分の含有が多くみうけうられるが、それがスパイスのアロマを生み、際立っているが、豊かな果実のアロマを遮ることなく非常にバランスがとれており、このアペラシオンをユニークなものにしている。

一部全房発酵、ステンレスタンクで発酵後、18か月熟成。アペラシオンカオールのマルベックという品種の多様性から、ワインは凝縮感のある黒色に近い紫の色調を持つ。カシスやブラックベリーに似ている。ソフトなアタックと骨格のしっかりしたタンニンをもつフルボディーのスタイル。力強さと柔軟性を兼ね備えている。マッシュルーム添えの子羊や鴨のお料理。ブルーチーズまたはチョコレートのデザート。ヴィンテージにもよるが10年間は最高の状態で飲むことができる。